産地紹介 紀州漆器

紀州漆器
紀州漆器
産地風景
産地風景

産地風景

紀州漆器は、室町時代、和歌山県の温暖で雨の多い気候により育まれた良質で豊富な紀州材を用いて、近江系の木地師が木椀を作ったことにはじまります。やがて柿渋を下地に施す技術が加わり、渋地椀の産地として広く知られるようになりました。江戸時代になると、分業制の導入や庶民の日用品としての需要が高まりから、一大産業として大きな発展を遂げました。また、紀州漆器の代表的な製法として知られる根来塗は、和歌山県岩出市根来の根来寺が起源とされています。現在も朱と黒によるその独特な風合いは多くの人々に愛され続けています。

ものづくりの現場
ものづくりの現場

ものづくりの現場

紀州漆器では、江戸時代に導入された分業制(木地、塗り、加飾等)により、それぞれの技が進化していきました。昭和初期には天流塗、錦光塗、シルク塗などの変り塗の考案が、昭和30年代にはプラスチック素材の導入が進み、他の産地に先駆けて時代の変化に対応してきました。新しい漆器の製造方法は大量生産を可能とし、誰もが気軽に楽しめる”大衆漆器”の分野を確立しました。伝統を守るだけではなく、技法を生かしながら、新たなものづくりに挑戦しつづけ、紀州漆器は、時代が必要とするものを敏感に察知し、真摯に応える努力を重ねています。

新しい伝統の創造
新しい伝統の創造

新しい価値の創造

紀州漆器は、400年の歴史を持つ日本を代表する伝統工芸品であり、世界に誇る技術です。しかし、時代の変化、ライフスタイルの変化に伴い、漆器に求められる機能も変化し多様化してきました。紀州漆器は新たな価値の創造に取り組み、漆器の魅力を伝えています。近年では、伝統的技術とデジタル技術を融合させた新商品開発や、現代のライフスタイルにマッチした製品の開発が行われています。また、「紀州漆器まつり」や、蒔絵体験教室の開催など、魅力の発信にも取り組んでいます。

新しい伝統の創造
新しい伝統の創造