産地紹介 ニット

ニット
ニット
産地風景
産地風景

産地風景

和歌山の繊維産業は江戸享保年間(18世紀前半)に始まった綿織物が始まりといわれます。特に紀州藩は足袋の生産を奨励し、縫製産業の礎としました。1869年に紋羽織が軍用被服として採用されると、新しい生地が織られ「紀州ネル」と名づけられます。撚糸業、染色業、化学産業、機械工業など、古くより和歌山の産業の多くは、紀州ネルと密接に関わり合いながら発展してきました。そんな中、紀州ネルの業者から新興肌着「メリヤス」の編立てに転向するものが現れます。ニット(メリヤス)産業は1909年に和歌山市で導入されたスイス製丸編機5台から、生産をスタート。また、第二次世界大戦時には多くの工場が空襲の打撃を受けましたが、和歌山では古い機械が燃えずに残ったため、新旧の機械が揃う世界有数のニット産業の集積地になり得たといわれています。

ものづくりの現場
ものづくりの現場

ものづくりの現場

いま、和歌山のニット産地では多品種・小ロット・短納期化を実現するため、企業体質の改善や海外市場への情報発信に取り組んでいます。多品種については、各企業が所有している機械の違いを活かし、ローゲージのジャガードやハイゲージの綿カシミアなど、それぞれが魅力ある商品を追及しています。また、それらの機械を巧みに操る職人の充実が産地全体を支えています。近隣の染色や縫製などの関連企業との連携を強化し、ワンストップでオリジナル性の高い生地を作る体制の実現に取り組んだ結果、海外企業との取引においてもタイムロスの少ない対応が可能となっています。

90秒で見る和歌山ものづくりの魅力

新しい伝統の創造
新しい伝統の創造

新しい価値の創造

100年以上の歴史を紡いできた地場産業として今後も世界で生き残るために、近年は受注生産型産地から、オーダーメードやオリジナル企画生地の提案型産地へのシフトを図っています。技術の継承だけでなく、これまでにない素材を開発し、世界に向けたものづくりができる産業として、次世代の担い手も増えてきました。次の100年へ向けて、益々活気のあるニット産地の創造につとめていきます。

新しい伝統の創造
新しい伝統の創造